数式
a x b は、下図のように、面積として示すことができる。
原価差異の一つである製造間接費差異(原価差異)の総額は、(実際発生額 - 標準配賦額)の算式として求められ、その総額を3分法で示すと以下のように分類される。 標準原価計算において、変動予算を用いて製造間接費差異を分析すると、①予算差異・②能率差異・③操業度差異に3分される。 以下に一般式を示す。 ①予算差異: 実際発生額 - 変動予算額(対実際時間) ②能率差異: 変動予算額(対実際時間) - 変動予算額(対標準時間) ③操業度差異:変動予算額(対標準時間) - 標準配賦額 これを図に示すと、次のように面積として表示される。 緑色の部分は、標準配賦額
(製造間接費における標準原価に相当する) であるので、この部分を除いた色付きの部分が”製造間接費差異”を示す。
(図の中の数値は、以下の例題に使用されている数値である。)
以下、上図の面積( ①・②・③ )で表示された製造間接費差異の3分法について解説する 。
(変動費とは何か):変動費とは、操業度の増減に応じて、比例的に変動する費用のことである。操業度の単位は、”作業時間”が一番多いようである。”製品製造量”或いは”製品製造数”を操業度の単位とすることもある。こんなところから、操業度とは何かを推定してください。材料費が変動費の典型であるが、製造間接費では電力料(1Kwh当たりの単価 x 使用電力量)の類である。但し電力料金の基本料は固定費に属する。 (固定費とは何か):固定費とは、操業度の増減にかかわらず、不変で常に発生する一定費用のことである。電力料の基本料の類である。 ****************************************************************************************************** 変動予算を用いた製造間接費差異を、以下の例題を基に、予算差異・能率差異・操業度差異に分解・図説する。
変動予算とは、操業度(この例題の場合は、作業時間)に対応する費用予算額であり、以下のようになる。
変動予算額(対実際時間)= (実際時間 X 変動費配賦率 )+ 固定費用
変動予算額(対標準時間)= (標準時間 X 変動費配賦率) + 固定費用
なぜ配賦率というのか : 製造間接費は電力料・ガス代・水道料金・消耗品費・保険料・減価償却費等の複数費目から成り、単一費目ではない。これが電力料だけといった単一費目であったなら、”時間当たりの料金”といったような単位で、材料費や労務費と同じ扱いがされたであろう。製造間接費は複数費目から成るが故に、”配賦率”という時間当たりの費用を製品に負荷する単位を設けたのである。
例題の要素を以下に述べ、変動予算を導く。
基準操業度 : 直接作業時間 3,500 時間 (操業度100%)とし、この時の変動費総額・固定費総額は次の通りとする。
変動費総額 : 700,000 従って、変動費配賦率 700,000 ÷ 3,500 = 200
固定費総額 : 455,000 従って、固定費配賦率 455,000 ÷ 3,500 = 130
基準操業度とは 、
操業度の単位を「作業時間」に取るなら 、設備資源を100%稼動させた時に発生する(要する)作業時間(操業)を指すものであり、
固定費を製品に配賦する基準である操業度 ということになる。
通常は予算設定時の作業時間で表す。予算作業時間と言ってもいい。 1日8時間、月20日労働をするとして、一人当たり の月間作業時間は、160 時間が可能ということになる。 従って、20人の工場では、20x160=3,200 時間が、月間の基準操業度ということになる。 これに対して、欠勤・早退等があると、実際作業時間は、3,000 時間といった具合になる。なお、これらの数値は以下の例題とは無関係です。
) 実際生産量から算出した作業時間要素は、以下の通りとする。
実際作業時間 : 3,070 時間
標準作業時間 : 3,000 時間(これに対し実際時間は3,070時間であるから、70時間は無駄時間であったということである。)
費用の実際発生額 : 1,105,840
標準配賦額 : ( 200 + 130 ) X 3,000 = 990,000
(製造間接費においては標準原価=標準配賦額 である) この条件で、予算差異・能率差異・操業度差異を算出し、図解を試みる。 上記の要件から変動予算額を算出します。
変動予算額(対実際時間): 3,070 X 200 + 455,000 = 1,069,000
変動予算額(対標準時間): 3,000 X 200 + 455,000 = 1,055,000
( 1 )基準操業度 3,500 時間における、変動予算額(対基準操業度)は下図の面積で示される。 これ以降の図は全て、費用額(配賦率 X 時間)を面積(色付の部分)で示している。
( 2 )実際時間 3,070 時間に対する変動予算額(対実際時間)は下図の面積(色付の部分)で示される。 固定費は、「固定費」というくらいであるから、一定である。(と、仮定する。以下「固定費」は常に一定とする。固定費が変化する場合も当然あるが、これは次講に記述されています。) ( 3 )標準時間 3,000 時間に対する変動予算額(対標準時間)は下図の面積(色付の部分)で示される。 ( 4 )費用の実際発生額は下図の面積で示される。:色付きの部分全てです。 赤の部分は、実際発生額により、増加した変動比率である。
(実際発生額 1,105,840 - 変動予算額(対実際時間) 1,069,000) ÷ 実際時間 3,070 = 増加変動比率 12
この 12 という数値は結果としてそうなったということです。例えば、電力料金の1時間当たりの料金が、当初予定していたよりも 12円 値上がりしたような場合です。
(本当は、1Kwh当たりの料金で電気料金は計算するが、この際は捨象する)
( 5 )帰結:差異分析図 ( 4 )の図に、標準配賦額
(緑色の部分 : 標準原価を意味する) を当て嵌めると下図のようになる。
色が付いている部分から、緑色の部分を除くと、”差異総額”が示される。
この”差異総額”を、①予算差異・②能率差異・③操業度差異 に分解してある。
(第1法)と(第2法)に分けて図示し、各々について図の直後に、3分法の差異の”一般式”を示してある。
この面積図と ”一般式” が一致するのが、見て取れます。 (第1法)と(第2法)の違いは、”能率差異”と”操業度差異”の大きさにある。
これは、(第2法)の「②の2」の部分が、”能率差異”に属するか、”操業度差異”に属するかの違いである。
( 第1法 ) (第1法)の差異分析を ”一般式” で示す。 上図と算式内容が一致します。 ①予算差異: 実際発生額 - 変動予算額(対実際時間)
②能率差異: 変動予算額(対実際時間) - 変動予算額(対標準時間)
③操業度差異:変動予算額(対標準時間) - 標準配賦額
この数式に、例題の数値を当てはめると、次のようになる。
差異総額 : 1,105,840 - 990,000 = 115,840(借方)
予算差異 : 1,105,840 - 1,069,000 = 36,840(借方)
能率差異 : 1,069,000 - 1,055,000 = 14,000(借方)
操業度差異 : 1,055,000 - 990,000 = 65,000(借方)
( 第2法 ) (第2法)の差異分析を ”一般式” で示す。 上図と算式内容が一致します。 ①予算差異: 実際発生額 - 変動予算額(対実際時間) [ 第1法と同じである ]
②能率差異:(標準配賦率 X 実際時間) - 標準配賦額
[
能率差異は、「②の1」と「②の2」を加えた部分である ]
③操業度差異:変動予算額(対実際時間) - (標準配賦率 X 実際時間)
この数式に、例題の数値を当てはめると、次のようになる。
差異総額 : 1,105,840 - 990,000 = 115,840(借方)
予算差異 : 1,105,840 - 1,069,000 = 36,840(借方)
能率差異 : 1,013,100 - 990,000 = 23,100(借方)
操業度差異 : 1,069,000 - 1,013,100 = 55,900(借方)
製造間接費差異の図解(その2)に続く。 ”次講” では、これまでのことを踏まえて、製造間接費差異が材料費差異・労務費差異と同じ概念になることを説明する。 ( ”次講” へ行くには下記アドレスにマウスを当ててクリックして下さい。 或いは右欄最上部 ”過去の題目” から選択して、クリックして下さい。 ) http://simonp.blog.fc2.com/blog-entry-2.html Copyright © 製造間接費差異の図解分析 All Rights Reserved.
シュラッターシュラッターの元の図より、全然わかりやすくて簡単です!
びっくりしました。
非常に助かりました!!